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2016/2寺院の消滅
全国寺院のうち、別の寺院の僧侶が住職を兼ねる「兼務寺」や住職がいない「無住寺」が、1万2千カ寺にのぼるという記事(朝日新聞)を目にした。
この要因には、過疎化や高齢化が背景にあり、経済的困窮によって住職の後継者不足の問題があり、今後「寺院の消滅」が進む可能性があるようである。  寺院には、法事・葬儀やお墓などを連綿と続いてきた「法義相続」も大きな役割を果たしている。
だからこの問題は、多くのご門徒や地域のコミュニティーの「場」が喪失し、大切な心の依りどころを失うことを意味するのである。
 今まで、多くのご門徒によって手渡しされてきた「お念仏の教え」が、今に届いているわけである。「一人の念仏者」の誕生という深い願いの中、苦悩する我々の「聞法の道場」として真宗寺院は育まれてきたのである。その願いの灯火を決して絶やしてはならないと思う。
 時代の流れもあり、確かに理想だけでは一歩も前に進むことができないもの事実である。
しかし、我々の思いに先立って「如来の広大なる願い」の中に、念仏者も真宗寺院も存在しているのであろう。
当たり前に感じていた「法義相続」ということがいかに難しく、尊いことなのかが、今更ながら痛感する我が身である。今こそ、「一人の念仏者」として立ち上がるべき時なのかも知れない。南無阿弥陀佛(輪番)

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