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- 2017/2諸行無常
- “餅つき、凧揚げ、こま回し、お節料理やお年玉”これらは年末年始の風物詩であろう。この季節の情緒に対し、「わびさび」を感じてきたのが日本人の美意識ではなかったのか。最近、特に日本人の情緒の無さや人間関係の希薄さ、つまり閉塞的な生き方に偏ってきているのではないかと感じているのは私だけであろうか。
保育園・幼稚園の建設反対、町内会の餅つきの取り止め、マンション内での住人同士の挨拶の禁止等、一部の極端に偏った見解の苦情を数え上げればキリがない。その中でも、お寺の年越し行事である「除夜の鐘」への苦情である。「夜中に大きな音を出さないで欲しい」「うるさいので禁止にして欲しい」などの意見が寄せられ、長年続いてきた除夜の鐘を辞めるお寺や、近所への配慮のために昼間や夕方に変更したお寺もあると聞きます。
百八つと言われる煩悩の数々を鐘の音色に変えて響かせ、ゆく年くる年の「諸行無常」を感じながら旧年中の自省、新年への決意など、一年の節目として大事にしてきたのが日本人の伝統であろう。
この音色に耳を澄ませば、自己中心の生き方しかできないこの私が見えてくる。三毒と言われる「貪欲(物欲に貪る心)・瞋恚(腹を立てる心)・愚痴(道理に暗い心)」が具わっているこの私に、「煩悩具足の凡夫よ」と阿弥陀如来からの呼びかけが聞こえ、「本願を信じ、念仏申せ」という願いが聞こえてくるのではなかろうか。
南無阿弥陀佛(輪番)
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