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2017/7平等なる仏道
1910年(明治43年)に起こった「大逆事件」を皆さんはご存知であろうか。これは、天皇の暗殺を企てたという「思想の弾圧」という理由によって、26名が逮捕され、首謀者とされた24名が死刑(翌日、内12名は無期懲役)とされた事件である。
その中に真宗大谷派の僧侶である高木顕明氏(1864~1914年)は連座させられました。和歌山県新宮市にある「浄泉寺」の住職となった高木顕明氏は、多くの被差別部落に住む人々と出遇い、差別問題に真摯に取り組み、非戦・平和を訴え続けました。ここに一人の僧侶として、「一切平等の精神」を貫き、非戦や部落解放の先駆けと言っても過言ではありません。

しかし後に、この「大逆事件」が国家による「冤罪(えんざい)」であったが、当派(真宗大谷派)からは、「擯斥(ひんせき・除名、永久追放)」という非常に重い処分を下されたのです。ここから当派は、非戦・平和を訴えた一人の僧侶を排除したことの重大な責任を背負い、高木顕明氏の事績に学び、非戦そして「平等なる仏道」に深く追求していくのである。
昨今、「戦争法案」や「共謀罪」など…傾いていく国家に危うさを感じる中、高木顕明氏の精神を受け継ぎ、同じ過ちを繰り返してはならないと強く思うのである。 南無阿弥陀佛(輪番)

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