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2023/7お祥月命日
六月六日は清沢満之先生のお祥月命日です。江戸時代の文久三(一八六三)年六月二十六日に生まれ、四〇年の生涯を通して信念を確立し、浄土真宗の教えを現代の言葉にして示してくださいました。
 清沢先生がこの世に現れてくださらなければ、我々は親鸞聖人の教えと信心をいただくことができたのでしょうか。清沢先生に対する謝念は、親鸞聖人に対する謝念でもあります。また、阿弥陀如来の本願に包まれて生きている我々の発見でもあります。
 清沢先生には、「天命に安んじて、人事を尽くす」という言葉があります。私たちに、人生をどのように生きるべきかを示してくださっている言葉です。自力で切り拓く人生ではなく、全人類の総意、大自然の意志でもある絶対他力に順って生きる人生です。この天と命に乗託して、自らに与えられた有限のいのちを尽くすのです。

 親鸞聖人は、『教行信証』の行巻に、
他力と言うは、如来の本願力なり。
と示してくださっています。

相対有限の私たちは、自分の力でどれほど考えても真実に善し悪しを判断することはできません。どのように行動すれば本当に生きたことになるかも分かりません。これらは、絶対無限の妙有である如来の本願力にゆだねるしかないのです。
清沢先生の絶筆『我信念』に、次の言葉があります。
「死生命あり、富貴天にあり」と云うことがある。私の信ずる如来は、此天と命との根本本体である。(岩波文庫『清沢満之集』二一頁)

天命に安んじて全力を尽くすのです。それがこの私たちにかけられた如来の本願です。私たちも、御同朋、御同行とともに、このような人生を生きたいと思います

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